東葛経営活性化協会コラム 第8回
度重なる外部環境の大きな変化のため、重大な局面で色々な決断に悩ませる経営者は多いのではないだろうか。その決断は、大きく業績に影響する。そして、その対応方法は一つではない。経営者の数だけやり方がある。成功するも、失敗するも、決断して実行してみなければ結果は、誰にも分からない。
ここ最近のコロナ禍の対応一つにとってもそうだ。朝から晩まで、土日も休まず従業員の健康管理をし、事業継続のために努力する企業もあれば、インフルエンザと同様の対策と3密回避の適材適所の対応のみで切り抜けている企業もある。事業継続性の面では結果的に違いがないのに、前者の企業では費用も省みず、従業員が大変な思いをして対応に追われ、後者の企業では流動的に経営を回して事業を継続させている。経営者の数だけやり方がある。
また、最近の企業業績も良い企業と悪い企業が大きく偏っているようにも思う。主に新型コロナウィルス感染症のための外部環境の悪化が原因であるが、ピンチをチャンスに変えた企業も多くあると思う。そう言う企業は、事前にそれなりの準備がされていたか、経営者の小回りの効いた決断があったのではないだろうか。その要因は様々で、企業の成長度合いが影響する。創業して企業体力が無いのに外部環境の悪化に耐え切れず事業継続を断念する企業もあれば、成熟期の体力がある時に将来を見据えた対策を取って来なかった企業が事業継続を断念することもあったであろう。その各場面には経営者の決断がある。奢らず邁進して進み続け、その時代に必要とされる企業だけが残っていく。必要なものは絶えず変化して必要な事業も移りかわり続ける。そして、経営者の判断も多岐にわたっていくのだと思う。
特に中小企業の経営者の方の決断はシビアになって行く。それなりの余裕がある企業体質に成長している企業であればよいが、金銭的にも、人材的にも余裕がない企業が多い。補助金一つにとっても、活用するにはそれなりの資金が必要であり、事業再構築補助金ほどになると高額な資金も必要であり、借入となると二の足を踏む経営者の方も多いと思う。それなりの借入をするので有れば、それなりの案も必要で、それを考え、実行する従業員もいないと、とても踏み切れない。自己資金が潤沢に有れば良いがそんな企業は少数派ではないだろうか。
先に述べた通り企業経営の方法は一つではない、企業の成長過程の状態、企業を取り巻く外部環境、内部環境、企業の強みや弱み、によって決断内容は変わってくる。一番重要なのは、経営者の方が悔いを残さずやり切ることではないかと思う。よく綺麗事を並べて、人を大切にする企業だとか、世の中に必要な企業になるなど抽象的な表現で本質を隠す経営者も多いが、短い期間で絶えず変化する時代、先の見据えた経営で従業員を引っ張る、先見の眼差しと行動力に優れた経営者が必要な時代である。
そして、その重要な決断の時にこそ、社内の意見だけでなく、セカンドオピニオンとして、第三者の立場から経営者の方への助言や経営の道案内役として、企業をより良い方向へ導くためのお手伝いをさせていただけたら思う。将来に向けて持続的に発展させて行くためには、楽な道ではなく、険しい道(ピンチの中にこそチャンスがある)こそが、今後の企業の成長を促す鍵があるのではないだろうか。
東葛経営活性化協会 会員