東葛経営活性化協会コラム第35回

当協会のホームページを掲載開始し、毎月更新してきたコラムですが、一つの節目として、今回をもって一旦筆を置きたいと思う。

今から3年前の2021年10月に開設し、回を重ね、今回が35回目となる。まずは、この間、持ち回りでコラム作成にご協力いただいたメンバーに感謝したいと思う。

仕事等で多忙な時、コラムを執筆する気分になれない時など、色々あったかと思うが、結果的には気持ちよく引き受けていただけたからこそ35回に至っていると思う。35回分を振り返ってみると「コツコツと継続していく」ことの大切さを今更ながら感じさせられる。

今一度内容を振り返るとこの間、『コロナ』という全世界を襲った感染症の存在が執筆内容に大きく作用していることがわかる。企業の診断・助言を行なって行く視点や立場から世界を含めた社会環境や事業環境の変化を感じながら、協会メンバーで分担し、共有したいと思うテーマ内容を各自で設定し、コラムを綴ってきたことがわかる。

メンバーとは不定期ではあるが、少なくとも2か月に1回はコロナ禍においても顔を合わせる機会をもってきた。その度毎に各状況の変化を共有し、先が見えない状況ではあるが、将来を見据えながら今後の方向性について語り合った。今年に入ってからはだいぶ落ち着いたものの、巷でもマスクをするかしないかは自己判断となってきた、にもかかわらず、インフルエンザ予防のためか、未だマスクをしている人は数多く、特に電車の中では半数以上が装着者であるのも事実である。しかしながら、コロナ前とは間違いなく景色が違う。コロナを通じ学んだのかわからないが、マスクをするメリットを各自、身につけたのであろうと思う。インバウンドの外国人は異なるが、マスク無しでの本来のFACE to FACEコミュニケーションの大切さを改めて実感したりもする。

当協会は大手企業出身者が中心のメンバー構成となっているが、目まぐるしく変わる環境変化の中で中小企業の経営に目線を合わせ支援を行ってきた。環境変化により変わっていくもの、変えていかなければならないことにどのように柔軟に対応していくかを考え支援してきた一方、その中で変えてはいけないものを指導していくことも非常に重要であることを切に思ってきた。

昭和から令和に至るまでの流れの中で、昭和の産物は残り続けており、それらの産物が海外にとっての日本の魅力であると思われているようだが、果たして平成、令和の産物は残り続けていくのであろうか?成長しない経済下、産物が生まれにくいと思われるが、海外受けしていくものが減っているのではないかと不安を感じる。また、経営手法についてもIT技術は進化、普及してきたが、このことは何も日本に限らないことであり、その中身については他の産物と同様ではないかと危惧している。

SNSを通じ、その場その場での話題は画像とともに迅速に拡販させることができ、更に生成AI技術により、その情報の真偽が曖昧ながらも情報は容易に収集していくことができる。間違いなく潮目が変わってきているが、やはり重要なのは真意を見抜く力であり、ITやAI技術を駆使し、知識と経験に基づく、ビジネス価値を目利きする力と創造力であると考える。

コロナが収束したことに伴い、コロナ禍では感染者状況やワクチン等が話題の中心であったのに対し、現在はコロナ以外の情報が様々なメディアや情報ツールを通じて拡散されている。

このような状況の中で、今後のビジネストレンドを考え、何をやっていったら企業への成長戦略となり得るのか、それを導く効果的な支援が実現できるのか、今一度、再考していきたいと思う次第である。

東葛経営活性化協会 会長 西村利夫