東葛経営活性化協会コラム 第6回

コロナ禍から「アフターコロナ」へ

1.はじめに

 コロナ禍は依然として社会に多大なる影響をもたらし続けているが、国内一丸となったコロナ対策により、予断を許さないまでも、経済活動は再開に向けて動き出しつつある。

そのような中、業績を復調させつつあり、コロナ禍対策から、「アフターコロナ」を見据えた、攻めの経営へ転換する企業が見られ始めている。

今回は、筆者が事業計画策定や経理業務の支援をした企業を一例として紹介したい。

2.事例:美容室経営企業A社

○コロナ禍対策から「アフターコロナ」を見据えた攻めの経営へ

 A社は首都圏近郊にて美容室を運営する従業員3名(50代女性社長・40代女性社員・40代女性社員)の企業である。コロナ禍以前(2019年度)と比較し、一時、2020年月別売上高が対2019年同月比で軒並み▲50-60%と、大きな売上不振に見舞われた。

未曽有の売上高激減により呆然自失に陥っていたA社社長だが、「完全予約制度の導入」・「多人数客同時施術の廃止」・「店舗内設備の消毒や換気作業の徹底」と感染回避に向けた運営体制を整え、店舗ファサードにて粘り強くPR活動を行った。

このことが新規顧客、特に、祖父母を持つ女性、母子等、コロナ感染に敏感な層の評価を得、2021年春頃から現時点にかけ、2019年同月比ベース▲10%程度にまで影響を抑え込むことが出来た。

コロナ禍対策への奮闘を通じA社社長は、日々の多忙を理由に実施を見送っていた広告宣伝活動の重要性を再確認し、「アフターコロナ」を見据え、長年の懸案事項であった「顧客の高年齢化」に対応すべく、積極的な攻めの経営へ転換するに至った。

○新規顧客開拓・新サービスに向けて

2021年末より「大人な女性層・親子層をターゲットとした販促ツールの活用(販促物、SNSサービスを利用した広告)」を開始した。

開始当初は空振りに近い形で終わったが、現在では30-40代の女性、親子層の問い合わせ数や来店数が少しずつ増えつつある。

 今後は、「小規模事業者持続化補助金」等補助金制度の積極的な活用を視野に入れ、店舗の強みをアピールしたコンテンツ、SNSとの連携機能等を盛り込んだWebサイトの構築を図り、一層の集客力強化を計画している。

さらに、新サービスとして「出張美容室」を企画し、介護施設や住宅を対象とした訪問美容サービスの立案を行う等、新たな価値創造に向け、アイデアを出し合う環境の醸成に繋がっており、好循環を生んでいる。

3.おわりに

 国内にはA社と同様に、志高く、「アフターコロナ」を見据え、一層の成長を望む企業は数多く存在するであろう。

そのような中で、A社社長のように、日々の煩雑な業務に追われ、経営改善や有効な補助金制度に対する分析や理解に割く時間が殆ど残されていないながらも、攻めの経営へ向け、苦しみ、悩みながら奮闘しようとしている経営者の方々は多いと思われる。

これから本格的に到来するであろう「アフターコロナ」において、そのような経営者の方々に対し、我々が大いに貢献出来る場が広がりつつあると同時に、コロナ禍で停滞した社会が、再び活力を取り戻すために、我々に期待する使命であろうと強く感じる。

東葛経営活性化協会 会員