東葛経営活性化協会コラム 第25回

 外出すると、中小企業診断士目線で世の中の仕組みを考えてしまうことが多くなりました。
例えば、このビジネスモデルはどのようになっているのかな?儲けの源泉はどこなのかな?ここをカイゼンすればもっと良くなるのにな・・・。

 最近気になり始めたサービス業(美容院・理容院)を例にして考えてました。
お店が開店しました。お店の内外装の雰囲気は、ターゲット層へのアピールに効果的なものになっているはずです。
 当面の課題は新規顧客の獲得そして、経営を軌道に乗せることです。集客のためにターゲット層に対する露出度、認知度を高める必要があります。初回限定の割引クーポン等のインセンティブを提供し、ターゲット層が来店してサービス品質を経験してもらい、それを広めてもらうことに注力することになります。
 理美容業大手のポータルサイトに掲載します。数多の同業者がいるので、お店の特徴・他店との差別化ポイントを簡潔に分かり易く伝える工夫が必要です。そうでないと星の数ほどある同業者の中に埋もれてしまうでしょう。また、自店のホームページを開設します。今やホームページは名刺がわりです。大手のポータルサイトに掲載しきれない店主の思いを「これでもか!」と言うくらい伝えて下さい。並行して、フェイスブック、インスタグラム、TikTok等のSNS活用も検討する必要があります。
 一方で、ターゲット層の年齢層によっては、自社の商圏にチラシを撒くのも現実解としてありです。媒体・時期・デザイン等の条件を変えて継続的に実施できることがべストです。
これらは手間とお金の掛かることですが、必要経費として割り切りましょう。

お客様が増えてきました。すると大手ポータルサイトからの予約は、手軽であるが故に、キャンセルも多くなる傾向が気掛かりになってくるかもしれません。この頃から、方向性を定めて舵を切っていくことになります。
① 経営者個人や家族等の少人数が不自由なく暮らせること。
② 事業として最大限の利益を追求する。
 どちらが良い・悪いのではなく、経営者としてどこを目指すかでその先の立ち振る舞いが大きく違ってきます。
①の場合、小さなコミュニティーを形成しお客様との距離感を近づけていくこともできるでしょう。自分のペースで仕事をすることができるでしょう。
②の場合、直営多店舗展開やフランチャイズ化が目標になります。ある時点から、店主はプレーヤーから経営者への変革が求められます。

 大きな流れをご紹介しましたが、実際のコンサルティングでは、以下のサービス業の特徴や時間軸・規模の軸等々の観点からの検討も必要になります。
■ 無形性・・・ 形や物がなく、形は無い。
■ 不可分性・・・ 生産と消費が同時。
■ 品質の変動性・・・ 品質を一定に保つのが難しい。
■ 非貯蔵性・・・ 在庫を持つことが出来ない。
■ 需要の変動性・・・季節、時間帯、週等により需要が変動する

事業を末永く継続させるには「強い思い、情熱」はもちろん必要です。そして、明確な目標に向かうための指針作りと実行力が重要となります。私ども中小企業診断士は、地に足が付いた取組みをご支援致します。

東葛経営活性化協会 副会長 早川昌宏